こんにちは。沖縄県で歯科衛生士をしています。こりょです。20年以上歯科衛生士現役で働いてきて、数多くの患者さんに対応してきました。
ある時は悩みを聞いたり、ある時は、歯みがき嫌いの子供の対応で悩むママの相談にのったり、ある時は、答えが決まってる患者さんの背中を押したりとしてきました。延べ数だと、何百、何千、何万?というほど本当に数えきれないくらいの相談やカウンセリングをしてきました。(現在も相談乗ってます)
対象年齢は、0歳のお子様のお口の悩みから高齢者の方、職種で言うと、介護職員さんや看護師さん・保育士さんなど専門的な業種の方々のお話を聞いてきました。歯科衛生士の観点や母の観点はもちろん、食育アドバイザーとしての視点でみてきた中、私が思うことを少し綴っていきたいと思ってます。
なぜ子供のお口が大切なのか?いつからでも遅くないむし歯や歯肉炎・歯周炎について、『習慣』にまつわる視点を入れ書いていきますね。
むし歯って?どんなもので予防する?母は…
う蝕(うしょく)ってもいいますね。簡単に言うと、むし歯とは、お口の細菌が代謝物質(酸)を出して歯がその酸にとかされて穴が開いていくことです。代謝する際にお砂糖(糖分)を栄養にしています。そのため、歯みがきで食べかすをとる。砂糖を使った甘ーいものがダメと言われています。
しかし、現代は、忙しくしていて、毎食の歯みがきができない現状や飽食の世の中です。特に日本に生まれた私たちは、美味しい甘ーい物ってどこでも手に入るし、購入できます。チョコレート、キャンディー、ケーキ、グミ、羊羹、団子、おはぎなど、たくさんのスイーツに囲まれています。そんな中、お口に美味しくて砂糖たっぷりな甘ーいおやつを全く食べないことってできないと思いませんか?
選び方や食べ方を工夫することでも防げると私は、思っています。(でも、食べ過ぎはダメですよ!!)
そう思うようになったのも、もちろん子育てを始めてからです。子供にはむし歯になってほしくないけど、美味しいものを食べさせてあげたい。もっと自由に食事を楽しみたいから、『おいしい』笑顔を見たいと思う母心ですね。それを実現させるためにはどうしたらいいのか?そんなことを考えながら過ごしてきました。
そこで、自分なりに解釈していたむし歯=歯みがきしないから・甘いものを食べるからっていうこと以外にできることはないのか?とモヤモヤしながら常に考えていました。
ここだけの話、歯科医師・歯科衛生士って甘いもの好きな方多いと思います。患者さんや業者さんから差し入れをいただくこと多いんですが、女性の職場ってこともあり、結構スイーツ多いんですよね。(自分の勤めてるところはそうでした)みんな喜んで食べてました。(笑)
そんな中、患者様への指導では、歯周病やむし歯の話の中で甘いものダメとか、おやつのコントロールとか話すのって矛盾してないかな?っても思ってしまいました。(自分は美味しく食べてるので)
💡だったら、食べてもいいものや食べてもいい時間帯や頻度、お砂糖の代わりになるものなどの提案をしたらどうかな??具体的なアドバイスをする方が参考になるんじゃないかなと思ってました。それを、自分の担当患者さんや周りの人へ伝えていったんです。
わかりやすいとすごく好評でした。
もう一つ大切だと思ったのは、『フッ化物の使用です』実は、フッ化物ってプラーク(細菌)があっても浸透していき歯を強くしてくれます。以前読んだフッ化物の専門書の中で(名前は忘れてしまいました)しっかりデータで載ってました。それをみた際に、フッ素入り歯みがき剤を使わないなんて、なんてもったいないんだろうと感じました。
唾液検査って知ってますか?お口の細菌数を調べて、むし歯予防をしていくための検査です。(おすすめです)その検査する時の質問で、フッ素洗口をしてるorしていないのチェックを変えただけで、将来、むし歯を避ける可能性が変わるのかを実際にためしてみました。
数値としては、驚きの27%→84%へ変化!!唾液データは一緒でもフッ素洗口するだけでこんなに変わるなら、絶対使った方がいいと思います。
※ここでの唾液検査とは、唾液とプラークを採取して2日培養してデータをとるタイプのものです。 (オーラルケアさんのサリバテストを使用しカリオグラムで出してます。)
毎日使うものだから、安全なものを取りたいと思ってるママさんも多いと思います。子供には安全なものをの親心ですね。
しかし、歯科でいうフッ素と有害とされてるフッ素は別物ということもぜひ知ってほしいと思います。
そのために、防げたはずのむし歯が、できてしまったらショックじゃないですか?
フッ素を使ってる歯は、石灰化が早めに進み強くなってくれます。そして、むし歯を避ける可能性を高めることができます。フッ素を使用してないから、歯が石灰化がゆっくりになり、むし歯になる可能性がフッ素を取り入れないだけで高くなるなら、もったいなくないですか??
私は自分の子供には、むし歯になってほしくないのと食べ物を自由に食べてもらうためにもフッ化物に頼ろうと思ってます。
ただ、どうしても、体への影響が心配が強くて、フッ化物を取りたくないママたちは、フッ素含有量の多い食材やおやつコントロールは必須でお願いしたいです。フルーツも同様です。(酸味のある果物をは歯を溶かすと言われてます…)
生え始めの歯は、弱いんですよ。
幼若永久歯(ようじゃくえいきゅうし)
生え変わりの歯は、未完成で歯が生え、唾液に晒されミネラルを吸収することで成熟するのが歯なんです。その未完成の時にむし歯になってしまう子が多いともされています。もちろん乳歯も同じです。ただ、乳歯は、2歳半から3歳で生えそろうので比較的、歯に悪い影響を及ぼすものを食べてないことが多いですよね。(気をつけてるママ多い印象です。)
しかし、5歳ぐらいになると、おやつコントロールがうまくいかないことも増えていきます。そうすると永久歯への生え変わる時期(早い子だと5歳から生え変わっていきます)未完成の永久歯がむし歯菌のだす酸に溶かされむし歯になってしまいます。
後悔する前に
お子様がむし歯になるのってショックじゃないですか?
なぜそれを問いかけるかというと、我が子がむし歯になった時、すごい罪悪感を抱くママさんをものすごくたくさんみてきたからです。
むし歯になったの気づかなかったというママさん。こんなに治療するのが大変だと思わなかったというママさん。子供の現状に涙を流すママさんもいらしゃいます。そんなママさんを見ていると私も悲しい気持ちになります。
もちろん、子供の年齢が低年齢だとむし歯治療ができない場合もあり、経過観察をします。どうしても大人のように動かないようにできないし、治療の難易度が上がります。治療する場合は、体や頭を拘束する必要があったり、重度のむし歯症例によっては、全身麻酔での治療対象になることもあります。
そんな風になってほしくないですし、子供たちは、生まれた時のお口って同じ条件なんです。それを、食生活や生活リズム、姿勢、癖など環境や習慣で、良くも悪くもなってしまう。(むし歯が生活習慣病と言われる所以です)
初めてお子様のむし歯に気づいて『後悔』を感じるよりも、
早め早めに対処してほしいと思います。習慣の変化をするとなると大変だけど、むし歯予防って一生使えるスキルであり知識なので、ぜひお子様に伝えて行ってほしいです。
こうも言えます。幼い頃からの習慣って、生活の基礎。歯みがき習慣や食習慣・運動習慣など大人になっても当たり前に何にも考えずにナチュラルにしているものだから、幼い頃からの習慣ってすごく重要なんです。
次の項目は、お口で後悔している大人の方のお話をいくつかしていくので、興味あれば見てくださいね。
エピソード1(インプラント治療をしていた患者様のお話)
私の担当するAさん50代の男性の患者さん。奥歯を失ってしばらく義歯を使ってたんですが、なかなか慣れなくて、インプラント治療をしている患者さんとの会話です。
隣のシートで定期検診に来ている親子を見て、ふと話だしてきました。
いいよね。今の子供達って!!
どうしたんですか?急に!!
現代の歯医者さんって怖くないでしょ。私の幼い頃って、歯を抜かれるところのイメージで
ものすごく怖かったし、痛み出ないと行かなかった。元にそれで、歯を抜いてインプラントしてるしね。本当だったら、もっと幼い時からむし歯予防にとり組んでいたかったなぁ!!
私の時代は大体そうだったからね〜!後悔してるよ〜!ってお話しされてました。この方も歯を失って歯の大切さを感じたとおしゃっていました。この方も…。理由は様々ですが、歯を失った方ってすごく後悔している方多いです。別の方からも度々お話しを聞いてます。
見た目や歯がなくて食事ができないなど、理由はさなざまです。幼少期にどんなお口環境が作られるかでむし歯ができるのか?歯を失うリスクがあるのか?歯を失うことなくずっと過ごせるのか?そういったことが少なからず関わってきます。幼少期にむし歯や歯周病にならないお口環境が備わっていたら、心配はいらないのです。大人になって今までの習慣や当たり前を変えるのって難しいと思います。
この方はインプラント治療終了後もメンテナンスで来院して、状態のキープを目指しています。
エピソード2 歯周病で歯を失った女性
初診時に対応した方のお話です。30代Bさんのとても綺麗な女性だったのですが、重度の歯周病になっていました。歯の動揺があり、後日痛みが強くなり抜歯になりました。
今までむし歯になったことないんですけど、なんで、歯が動いてきているのかわからない。
今まで気にしたことなかったんですけど…
歯周病が進んで歯が動いてきてたんですよ。
今まで、歯茎から血が出たり、痛みが出たり、お口の臭い指摘されたりなかったですか?
出血はいつもありました。でも、いつもの事だから気にした事なかったです。歯周病って3○歳でもなるんですか?もっと高齢になってからだと思ってました。
実はBさんは、人生2回目の歯科受診で、1回目は、小学生の時に転んで行ったとのこと。そして今回。歯が動いてきてるのも気になってなく食べてる時に歯がフニャと動いたと感じたとのこと。それで、受診したとのこと。歯石がいっぱい付いていて、歯ぐきからの出血も口臭もみられました。(重度の炎症)この方は今までむし歯になったことがなく歯科医院へ受診することもなく、お口への関心度も全くなく情報をとる事がなかった。
テレビ・ユーチューブ・SNS・ブログ?Google検索など、色んなバイタイでお口についてや歯周病についての発信があるもののBさんご本人の関心が全くないので、情報が届いてないし、見ることもしなかったことが、30代という年齢で重度の歯周病になってしまったんです。もっと早い段階でお口への関心度が上がって、情報を得ていたら、結果は変わっていたかもいしれません。
この方は、自分の歯を失って、初めて今の自分の口の中の状態を知って、後悔したものの、歯周病治療に取り組んでいます。
このエピソードの中でも幼い頃から歯科へ定期検診に行く習慣があったら?きっと結果は変わっていたでしょう。自分に合った情報を必要な時期に手に入れられたのではないでしょうか。
エピソード3 私の話!!
ちょっと恥ずかしいエピソードですがよろしくお願いします。
温かい目で読んでくださいね。
今は、歯科衛生士として働き情報発信をしている私ですが、かつてはむし歯になっていた。むし歯になるのが当たり前と思っていた子供でした。毎年、学校検診でむし歯が見つかり、夏休みに歯医者へ通院するような子供です。
高校生1年生か2年生の頃、おしゃれや異性にも興味のある多感な時期です。いつものように、夏休みにむし歯で歯科受診していて、初めて、歯科衛生士さんから、お口の状態についてのお話を聞きました。(本当に初めてで、それまでは子供枠だったのかな?)
衝撃な事実が…!!私のお口は『汚い』ことを知ったのです。
実際には、歯石を見せてもらって、顕微鏡でお口の細菌を見せていただきました。こんなのが口に入ってたのか?と驚きと顕微鏡で見た細菌がうごいてるのに鳥肌が立って『うわw』『やばい』と驚きの言葉が出るばかり。振り返ると、これまで自分の歯みがきの仕方はもちろん、おやつの食べ方、ジュース飲み放題の生活ではむし歯にになると思います。
※口腔内の細菌も歯石の付着もあの頃に見たのは、一般的です。当時の私の表現なので、気にしないでくださいね。(細菌も歯石もいまだにいますし、いまだによく着きます。)
そこから、人生初のデンタルフロスをするようになりました。真面目にむし歯治療にも通い時間はかかったけど、治療完了まで済ませました。
私は、その時に自分のお口の状態を知ったことがキッカケになり、お口の中のことや虫歯予防のことを知り、しかも人生までも歯科衛生士として働いています。(ターニングポイント)
もっと早くお口の事知りたかったなと感じたりもします。
以前は、それをコンプレックスとしていたこともありました。歯科衛生士なのにむし歯経験がある。この事実。今は、情報発信をしていてそれがあったから、患者さんの気持ちがわかるし、治療の経験もしているから寄り添えていたんだと…。実は強みだったんだと思えています。
私は、子供ができて育てていくにあたり、子供のお口にも今まで以上に興味や関心を持つようになって、私が子育てとして関われる間は、もちろんむし歯のない状態を維持していきたいなと思ってます。彼女は、もうすぐ10歳になりますが、今のところむし歯になっていません。
むし歯は遺伝だ!!という方もいらしゃいましたが、むし歯の多い母から生まれた子でもむし歯のない子供がいます。生まれてから、お口の環境や食べ方・歯みがきの仕方などで変わるし、生活習慣で決まってくるのです。私自身、子育てをしていて身をもって検証中です(笑)
子育てって常に学びだって感じます。いろんな問題が起きたり(夜泣き・癇癪・指しゃぶり・歯みがき嫌いなど)うまくいかないことも多いです。
その子育てを卒業した時に成長した子供にむし歯のないことを喜んでもらいたい一心で行っています。
エピソードを通して
3つのエピソードと共にお伝えしました。いかがでしたか?
歯を失って歯の大切さに気づく方。しっかり情報を受け取ってたら、歯周病にならなかったかもしれない方。自分のお口の状態を知って歯科衛生士になって子育てに奮闘してる私。
それぞれの後悔したポイントって違いますが、『もっと早く知ってれば!!やってれば!!』と思ってるのは確か!だからこそ幼少期からむし歯予防を行なっていくことが大切なんです。
過ぎたことは元には戻りません。これから自分はどうするのか?自分のお子様のお口をどう守るのか?私もおむし歯になって後悔体験者の一人です。子供には、そんな思いをしてほしくないと思ってます。
私と一緒に、今後むし歯や歯周病に悩まないお口を目指していきたいと思いませんか?
ぜひぜひ、目指しましょう😆
最後にもう一つだけ!!
むし歯や歯周病って、いかに情報を知って、日々の生活の中で活用するかで決まってきます。もちろんライフスタイルや食事の嗜好などで変わってきますが、何が自分に合っているのか?お子様にあってるのか?ネットにたくさんの情報があります。いろいろ試していってほしいです。そして、少しでも楽しんでむし歯予防に取り組んでほしいです。そんなパパやママの元に育った子供達もむし歯予防の習慣が自然になっていると思うからです。
『歯みがきしているのにむし歯になるのはなぜですか?』よく聞かれる質問です。では、私からもいくつか質問です。
- 歯みがきがちゃんとできてますか?
- フロス使ってますか?
- おやつの回数は?
- ジュースのんでますか?
- 歯ブラシの状態はどうですか?
- フッ素いり歯磨き剤を使ってますか?
- 歯磨き後に飲食してませんか?
- 水分補給は主に何でしてますか?
- 家族にタバコ吸ってる方いらしゃいますか?
- 睡眠とってますか?
- 1日の飲食回数は何回ですか?
- 発酵食品は意識してとってますか?
- よく噛んで食事とってますか?
- のどの渇きはありませんか?
一部の質問です。この記事をここまで読んでる皆さんは、歯科の情報が好きなはず。質問に対する良いとされてる答えは知ってますね。今あなたが答えたいい答えではないものに改善点はありますよ。
むし歯や歯周病は生活習慣病に位置付けられています。自分にとって、家族にとって良き生活習慣を整えていくことが、むし歯や歯周病の改善につながります。体に良い習慣こそがむし歯や歯周病にならない良い習慣になる。そこに意識するのとしないのでは、結果は全然違うと思います。
医学も歯学も進歩しています。むし歯治療の技術もそうだけど、病気やむし歯予防に対してもそうです。私の小さい頃にはなかったキシリトールを使った商品や善玉菌でむし歯予防をする(ロイテリ菌・8020菌など)、クルクミンが歯周病菌(PG菌)に有効とわかったこと。腸内環境が口腔内環境と関係があること。口腔内細菌が様々な病気のトリガーになることなど、これらの新しくわかったことを自分の生活へ取り入れていくのもすごくいいと思います。
20年前30年前と違う生活の中、同じ予防法にこだわらなくてもいいと思います。自分にあった。子供にあったむし歯予防を見つけてほしいです。
適正な時期に歯科の情報を受け取って自分に合ったものを自由に選んで、続けていはみってほしいです。後悔する前に試したり自分ができそうなこと少しづつ改善して行ってくださいね。
参考になれば幸いです。歯科衛生士こりょでした。